3/3(金)~12(日)『bansyu-ori』播州織の販売会

先染めの代表的な織物の播州織。先染の布は基本的には表も裏も同じ柄で、薄地で丈夫に織られているので、シャツなどに多く使われています。播州織という名前こそ前には出ていませんが、ハイブランドから、身近なブランドまで、沢山のメーカーによって加工されて私たちの周りあります。

今回のイベントでは、分業の多い播州織のメーカーのなかでも、企画、染め、織り、の工程を手がける東播染工さんからお借りした、出荷までの間にでるサンプル生地などをたくさん販売いたします。

先の休日に工場へ伺いその魅力をお聞きしてきました。自社製品の企画デザインを手掛ける企画室のみなさんとお話していると、工場生産と言えども、一枚の布地が出来上がるまでには、たくさんの職人のみなさんの〝人の手〟が関わっていて、そのどの工程も私にはとても興味深く、面白いものでした。

北欧の布織物もチェックのものが多くてかわいくて、私もチェック好きなのですが、播州織のその魅力の一つもなんと言ってもチェック柄。布屋さんでは見かけない色、柄、とてもかわいくてカッコよくて、興奮気味にたくさん選ばせてもらいました。お客さんのお顔を思い浮かべては、この色合いはあの方が好きそうだな、なんて思いながら。ということで、みなさん、次の週末は、エコバッグをもって、ぜひキルシッカプーへお立ち寄りくださいませ。

播州織の製造工程をを少しご紹介。

まずは入荷した原糸を、染めやすいようにメッシュ状の芯に巻きなおします。一定の強さでふっくらと巻きつけるために、巻いている途中で重りを手作業で何段階にも調節していきます。

この円盤の重りを動かして一定の強さで巻けるようにしていきます。

巻き直された糸はそこから染色の行程へ。大きな釜で一度にこの量、圧巻です。

染められた後は、外、真ん中、中心、の3箇所からサンプルが取り出されて、色が一定か厳しい検品を受けます。

真ん中あたりで少し色が変わっっているのがわかりますか?

次は織の行程なのですが、その前に縦糸に糊付けをして織の際に引っ張られるテンションに耐えれるように丈夫にします。

縦糸を、仕上がり柄に合わせてどう織り上げるか、横糸を通すところを決めて、一本ずつ織り機の針に通していきます。

糸がもつれないのか不思議です。。

針ごと巻きつけていよいよ織り機へと運ばれます。

織り機で横糸が織られていきます。ここまでの工程が同じ工場で行われるのは珍しく、分業で担当している会社が多いそうです。

この時点で、工場内のどこを歩いているのか、、完全に迷子でした。

さあ完成。ではなく。今度は縦糸の糊を洗い落とします。糊は織るためだけにつけられて、仕上げは滑らかな手触りに戻すために綺麗に落とされるのです。

洗い落とすのですが、一旦表面を焼くそうです。表面のケバをなくすイメージです。

ザブザブ洗われて、、、

『滑らかになりましたよ。』と触らせていただいたのですが、私:「ん?」『あ、これは麻なので、、パリっとしてますね。。』と説明が続きました。笑。

最後に布屋さんで見かける大きなロールへ巻き取られて、各メーカーさんへ出荷されていきます。

こちらは生産工程の前の段階。企画の段階で工場内の色見本のあるお部屋で色を決めていきます。播州織はシャツ地が多ので、青系のオーダーが多いそうです。

染めには工場の横を流れる川の水が使われていて、その日のPHの数値や糸の種類で同じ色でも同じには染まらないので、まずは少量でサンプル染めがされるのですが、そのお部屋はまさに実験室のようでした。

ベテラン職人さんにより色がミリ単位で調整されていきます。染色はとても科学的。繊細な職人作業です。

東播染工さんの自社ブランドのハンカチ。播州織の魅力が全て詰まった逸品です。こちらも販売しています。ちょこんと結ぶスカーフにオススメです。

スリッパの新柄も入荷してます。これからの季節、裸足ではくと気持ち良いですよ。

イベント中に東播染工さんの商品をお買い上げ頂いたお客様には、お得なプチプラでお買い求めいただける風呂敷もご用意しています。こちらがまた可愛いのですが、これは店頭でのお楽しみです。ぜひ店頭でご覧ください。